企業の人材育成の一環として、ビジネス教育の重要性が増してきています。ビジネスのグローバル化や多様化にともない、国際社会で通用する人材を育成することは、企業が成長していくうえで必須条件となっているからです。また、企業の生産性向上や経営戦略の実行のためにも、ビジネス教育による経営層、リーダーの育成は欠かせません。国際水準のビジネス教育の代表として挙げられるのが、MBAやDBAの学位取得を通じた学習です。従来は、従業員の自主性に任せていた企業がほとんどでしたが、離職や本業への影響を考慮して人材育成の一環としてサポートする企業が増えてきました。
そこでこの記事では、ビジネス教育とは何か、企業にとってなぜ重要なのかを解説します。また、日本のビジネスパーソンがビジネス教育を受けることが難しい現状を説明した後、解決策として国内のビジネススクールを活用する方法を紹介します。負担をかけずに短期間でMBA(経営管理修士)・DBA(経営管理博士)の学位を取得したい人や人材育成の一環としてビジネス教育に力を入れたい企業は、本記事で基礎知識を知っておきましょう。
ビジネス教育の定義
ビジネス教育とは、ビジネスの普遍的な本質とビジネスパーソンとしての倫理のための教育とされています。一般的には、企業の経営層やマネージャー層として在籍する社員に対する教育や、将来これらのポジションに就くと考えられる人材に対する人材育成を意味する用語です。ただし、ビジネス教育という言葉は、新人研修を含めた広い意味合いで使われることもあります。また、人材育成を支援する企業のサービスを指すこともあり、厳密な定義は定まっていません。
ビジネスの普遍的な本質とは、端的にいえば、国際的に通用するビジネス活動の根本的な知識・技能や資本主義の論理のことです。どのような業種・業態でも何らかの自社商品・サービスとお金を交換することによって利益を上げているため、標準的な売買取引や損益計算、利潤の追求方法などを学びます。また、ビジネスパーソンとしての倫理に相当するのは、企業の社会的責任や社会性についての知見です。これらも、企業の経営層やリーダーにとって必須であるため、ビジネス教育に含みます。
なぜ企業にとってビジネス教育は重要なのか
企業にとってビジネス教育は、普遍的なビジネススキルを持った人材を育成することと、経営戦略を具現化するために重要です。それぞれについて、以下で解説します。
- 普遍的なビジネススキルを持つ人材を育成できる
ビジネス教育は、ビジネス活動の本質的なスキルと倫理を学ばせるために重要な人材育成です。具体的には、組織論や会計技術、マーケティングなど、ビジネスに必要とされる知識と技能を学びます。これらは、企業を代表する人材として、経営状況を分析したり経営戦略を立案したりするために欠かせないスキルです。また、ビジネス教育は資本の論理と企業倫理を守りながら、利潤の最大化を追求する重要性も教えます。
ここで企業倫理に触れているのは、ビジネスパーソンとしての倫理性を備えていなければ、長期的にみて企業のリスク要因になってしまうからです。人脈を築き、スケールの大きな取引を成立させるためにも、人として信頼されなければなりません。ビジネス教育が大学の教育機関で実施されていることでもわかるように、直接的な利益追求から離れた考え方や論理も学べるため、真の国際人としての素養も育てられます。
- ビジネスのグローバル化・多様化に対応するため
経済のグローバル化と多様化に対応するためにも、ビジネス教育は重要です。ビジネス教育で取得する知識・技能は、言語における英語と同じように、世界中のビジネスパーソンの共通言語・考え方に相当するためです。諸外国との取引が増えるとともに、また、自社において従業員の外国人比率が増えるにつれ、日本企業の文化や独自の方法論を押し通すことは、今後困難になっていくと思われます。そのため、MBAやDBAの学位取得を支援する人材育成をはじめとした、世界に通用して実績のある体系的なビジネス教育の価値が高まっています。
そもそも人材育成はなぜ重要なのか?ビジネス教育との関係は?
企業が実施するビジネス教育は、人材育成の一環です。そもそも人材育成は企業にとって、なぜ重要なのでしょうか。人材育成が重要である理由として、業績向上と経営戦略の具現化の観点から解説します。また、ビジネス教育の手段として、ビジネススクールによるMBA・DBAの学位取得を支援する有効性を説明します。
- 企業の業績向上を図るために必須の施策
企業の人材育成には、新人研修やOTJ、外部研修などさまざまな手段がありますが、いずれの目的も業績向上が含まれることが共通しています。企業活動の3本柱である「ヒト・モノ・カネ」の管理において、人材育成は「ヒト」の管理で重要な施策のひとつです。特に、労働力不足がますます深刻化している多くの企業において、貴重な社員を自社に貢献する人材に育て上げることは、企業の成長にとって欠かせません。また、人材育成のシステムを標準化・体系化することによって、多様化する人材に対して共通の人材育成施策を実施して、業績向上を目指すことが重要になってきました。
- ビジネス教育は経営戦力を具現化するために重要
人材育成の一環としてのビジネス教育は、経営戦略を具現化するための施策に位置付けられます。ビジネス教育を受けてもらいたい人材とは、企業の将来を担うリーダーたちに他ならないからです。ビジネス教育は、通常、少数の社員を対象とした施策になります。そのため、企業の将来のあるべき姿を考えて、人材育成の対象者を選びやすいことが特徴です。たとえば、「3年後に10名のマネージャー層の人材を育てたい」など、企業の人材配置を見越した、具体的な人材育成をしやすいメリットがあります。
- 若手の育成が長期的な経営戦略として有効
人材教育に力を入れている企業のなかには、二十代の社員に対してMBAやDBAの取得を支援しているケースがあります。若いうちから経営者としての意識と行動を考える習慣を付けることは、個人の成長に役立ちます。また企業からすれば、そのような育成が長期的な経営戦略として有効であるからです。MBAやDBAは実践的な要素を含むため、現在携わっている業務の生産性を高める効果も期待できるでしょう。加えて、先述したように、企業活動のグローバル化・多様化に対応できることもメリットです。
とはいえ、MBAやDBAの取得は、教育のための場所が限られているため、従来はハードルの高い人材育成施策とされていました。個人が自主的にスキルアップする方法として選ぶ場合は、なおさらです。しかし、現在ではMBA・DBAの教育機関として認定されたビジネススクールの活用によって、MBA・DBAの取得は一般的な企業でも導入しやすく、個人も挑戦しやすい手段になっています。ビジネススクールを利用するメリットは、学術的・抽象的な内容が多くなりがちな教育機関と異なり、現役のビジネスパーソンを対象にした実務的な教育カリキュラムが組まれていることです。
日本のビジネスパーソンがビジネス教育を受ける難しさ
社会人が自主的にビジネススクールでビジネス教育を受けたいと考えたとき、ハードルになりやすいのは、時間・お金・語学力の3つです。
- ビジネススクールに通う時間を確保できない
学生と違ってプライベートの時間を確保しにくい社会人が、ビジネススクールに通うことは困難です。また国内の大学院は入学手続きが煩雑で、まずそこでつまずいてしまう人も多いでしょう。授業を受けるためにスケジュールを空けておくのも、仕事が忙しい人にとっては困るところです。夜間や土日に開講している教育機関もありますが、それが通いやすい場所にあるとは限りません。
- 費用が高額
欧米に留学してMBAやDBAの学位を取得するためには、教育費や現地での生活費などをすべて含めると、2000万円近くかかるといわれています。そのため、現実的な方法として国内のビジネススクールに通うビジネスパーソンが多くいます。この方法なら会社を辞める必要もないため、経済的な安定性の点でもメリットです。とはいえ、国内のビジネススクールでも150~350万円程度の費用はかかります。できるだけ出費を抑えたい人が選んでいるのは、100万円程度から利用できるオンライン教育を取り入れているビジネススクールです。
- 語学のハードルでつまずきやすい
経営学やマーケティングなどの講義を聞く際に、英語のスキルが足りないためにつまずいてしまうケースも少なくありません。ディスカッション形式の授業もあるため、語学力が不安でMBAやDBAの学位取得のチャレンジを決心できない人も多くいます。また、一部の大学院、ビジネススクールでは、応募要項にTOEFL iBT100~110点などの条件を設けているため、そもそも入学できないケースもあるでしょう。TOEFLはライティングやスピーキングなど総合的な英語力が測られるため、暗記が主な要素である受験英語を勉強してきた多くの世代では、応募時のハードルが高くなりがちです。その点、国内のビジネススクールで求められる応募要項の条件や語学力の水準は比較的低く、知識や技能の取得に集中しやすい面があるのです。
社会人のビジネス教育なら「ダグラスビジネススクール」へ
MBA・DBA教育機関として認定を受けた「ダグラスビジネススクール」なら、日本国内のビジネスパーソンが、自宅または職場で国際水準の優れたビジネス教育を受けられます。ダグラスビジネススクールで提供しているオンラインコースは、修士課程と博士課程のふたつです。
ダグラスビジネススクールの特徴
ダグラスビジネススクール(Douglas Business School)は、イギリスに本部を持つMBA・DBA教育機関です。全ての学位証明書は大学院でフルタイム受講したものと同じ扱いになるため、世界中の企業に対してスキルを証明できます。ダグラスビジネススクールの特徴は、日本国内のビジネスパーソンが国際水準で最適な学習機会を得られるように、時間や場所に制限されない柔軟なオンライン学習システムを採用していることです。
たとえば、学位取得のための教材や講義、電子図書館にオンラインでアクセスできるので、忙しいビジネスパーソンでも個々のライフスタイルに合わせて学習時間を作れます。また、1対1の個別指導員やクラスメートとの双方向コミュニケーションができるプラットフォームも用意しています。
- 修士課程コース
修士課程コースは、MBAの学位を1年で取得できるコースです。学習過程は2段階に分けられており、第1フェーズでは6カ月間かけて、大学院授業科目課程として経営や会計、マーケティング、ファイナンス分野などを学びます。第2フェーズでは6カ月かけて、グローバルなビジネス環境の理解や専門領域の分析・検証などのビジネススキルを学び、バッキンガム大学大学院生として経営管理の論文を作成します。それが認可されると、修士号の学位を取得できます。
- 博士課程コース
MBAの上位課程である博士課程コースでは、経営者やリーダー向けのビジネススキルに関するビジネス教育を受けられます。入学対象は修士号の学位を保有しており、学習期間は2年間です。博士課程コースは9科目の授業と論文で構成され、アメリカアポロ大学の認可を得られると、経営学博士号が授与されます。
企業のビジネス教育にはビジネススクールが最適
企業の人材育成として従業員にビジネス教育を実施するなら、ビジネススクールが最適です。MBAやDBAの資格取得の過程を通じて、普遍的なビジネススキルを持つ人材を育成でき、またビジネスのグローバル化や多様化にも対応できます。向上心があり、能力が高い社員ほど、積極的にビジネス教育を受けるチャンスを求めています。しかし、学習時間の確保や費用などのハードルによって、ビジネススクールに通う決断をできずにいる人も少なくありません。しかしそのような人でも、ダグラスビジネススクールのオンラインコースなら、業務と並行しながら短期間で海外のMBA・DBAの学位取得が可能です。人材育成の一環として、是非御活用ください。